笑い話にしたい恋
「ずっと前からすんごく小さい頃から、俺にとって女の子は水樹だけだった」
なにから、話せばいいかわからない
「小さい頃、自分と結婚するのは水樹だと思ってたくらいに」
ドクンドクンと鳴る鼓動を無視して俺は続ける
「でも大きくなるにつれて、突きつけられる現実がありすぎて、水樹じゃない女の子に逃げた」
俺はゆっくり座り直し、那美ちゃんを見た
「いろんな女と一緒に居ることでまぎらわせてきたんだ。この気持ちをさ」
少しずつ歪んでいく那美ちゃんの表情に心が締め付けられる