笑い話にしたい恋




「...泣いてよ。那美ちゃん...」


あまりにも眩しすぎる彼女の笑顔につい本音が溢れる


「嘘だよ...那美ちゃんが他の女と一緒なわけない。だって俺今かなり心痛いし、他の女のとき、こんなんならないし。でも、那美ちゃんは俺なんかと一緒に居ちゃダメなんだ。もっと幸せになるべきなんだよ...」


なんか俺、かっこ悪...


これじゃ、俺が未練タラタラで別れたくないみたいじゃんか...


...てか、別れたくないけど。でも、手放さなきゃ彼女が...


「あのね、卓斗君」


泣きそうな俺に優しい声で那美ちゃんは話しかける


「卓斗君はね、私の初彼だったんだよ?恋とか知らずに生きてきた私にいろんなこと教えてくれたんだよ?幸せって聞かれたら私は迷わず、うんって言えるよ?そりゃ、苦しかったよ?好きな人に見てもらえなくて悔しかった。だけど、そばに居たいって思っちゃったんだもん。好きになっちゃったんだもん。」





彼女は、泣いていた




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