笑い話にしたい恋
雄二の家への道を、少し重い足取りで歩いていると反対の方向からまだ小さい女の子が走ってきた
その顔は、とても懸命で可愛らしかった
でも、その子は何もないのに思いっきり転んでしまった
俺はあわてて駆け寄ろうとすると、
「綺羅(きら)!!」
後ろから遅れて走ってきた男の子がそう叫んで駆け寄り
「大丈夫か?」
そう尋ねる男の子に、女の子はお兄ちゃんと言って泣きながら抱き着き「痛いよ」と叫んでいた
そんな女の子の頭を優しく撫でる男の子は優しい目をしていた
まるで、宝物を包み込むように...
その光景に、俺は呆然と立ち尽くし、自分と重ねてしまっていた