新選組は恋の香り―前編―
「もうこれ以上待つのは――――」


誰かが言いかけた瞬間
足音が聞こえてきた。


隊士全員が構える…



だが、それは肩で息をしている
葵羽だった。




「で…伝令。はぁ、はぁっ。池田屋池田屋が本命です。はぁ、はぁっ」



そう言い葵羽は座り込んだ。


「ん、有り難うな。」


そんな葵羽を左之は優しく撫でていた。

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