新選組は恋の香り―前編―

「で、何の御用ですか?」


近藤さんの方を向き
素直に聞いてみる。


「嗚呼、これを君にと思ってな。」


そう言って
近藤さんは大きな包みを私の前に出し
解き始めた。



「……着物?」

「嗚呼、そうだぞ。」



包みの中には着物が入っていた。


相変わらずニコニコ顔の近藤さんの顔からは
何故着物がここにあるのか
とか
何故それを私にあげているのか
とか
全く答えを感じない。


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