新選組は恋の香り―前編―

「お帰りぃー、葵と総司!!」


平助くんが待っていたかのように
飛び出してきた。



…昔の瑠衣みたい。



「葵?」

「えっ!?あ、なに?」

「いや、ぼーっとしてたからさぁ。」


頭をかきながらニコニコと言う。



やっぱりそれは瑠衣のようで…


「っ…。」

「ちょっ、葵?!」

「ごめんっ、ごめんっ」



さっきまで止まっていた涙が
ダム崩壊のように流れ落ちる。



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