愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「うん。真梨から電話なんて珍しいけど…どうかした?獅龍となんかあった?」
「蓮達のことじゃなくてさ…」
「じゃなくて何よ~?」
「みんなで海行くんだけど、菜穂もいかない?」
あたしがそう言うと、菜穂はなぜか言葉を発さない。
「菜穂?」
「志摩蓮斗は……蓮斗は、なんて言ってる?」
“蓮斗”
菜穂が呼んだ、愛称じゃない蓮の名。
きっと菜穂は、もともと蓮のことをそう呼んでいたんだと思う。
あたしが菜穂に電話したことから、蓮が自分と菜穂の関係を話したことを理解したのだろう。
蓮に目を向けると、大丈夫だ、と言う様に頷く。
「別にいいって」
「そう……他は?」
「え?」
「颯とか隼くんとか鷹樹……大河は?良いって言ってる?」
周りを見渡す。
タカはいないけれど、それ以外はみんな揃っていて。
隼はあまり菜穂を好いていないのか、複雑そうにしていたけれど。
嫌だと口にしないってことは、別にいいのだろう。
「うん、いいって」
「ふうん……」
「菜穂?」
いつもハイテンションなのに、なぜか元気がない。
「……もう、あたしになんて興味ないってことか」
「え?菜穂何か言った?」
「ううん、なんでもないよ」
わざとらしい笑い声が、鼓膜を刺激する。