愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
蓮に出会って、遊ぶこと以外で男と関わることが増えた。
けど、別に蓮は私が男と接触することに何も思ってないと思っていて――蓮の苦しそうな姿が、昨日の私と被って、笑みが零れた。
「ふふっ」
「何笑ってんだよ」
「別に?」
ウザそうに眉間に皺を寄せて、私を睨んでくる。
「もういい」
はあ、蓮は小さくため息をついた。
「着替えて先に戻るから、お前はゆっくり風呂入ってこい」
「え、あ、うん」
蓮は背中を見せて、のれんの方にきびすを返していく。
「れ、蓮!」
のれんの前でぴたりと止まる。
ゆっくりと、こちらに振り返った。
「好き」
あたしの言葉に、蓮は一瞬目を見開く。
けれど、すぐに目を細めた。
「知ってる」
ふ、と、小さく笑って、蓮は女湯ののれんから出て行った。