愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
ハッキリ言っていいものか、と周りを見渡す。
この中で心配要素なのは、隼だけ。
このくらいなら、大丈夫かな。
そう勝手に完結付けて、口を開く。
「蓮、まだあたしに手出して無いから」
意味がわからないと、みんながポカンと呆気にとられている。
「まだ、シてないの。蓮とあたし」
そう言った瞬間、隼が顔を真っ赤にしてむせる。
「シ、シ、シて、シて……っ」
「隼、落ち着いて」
流石、あたしの裸バスタオルだけで鼻血を出しただけはある。
颯の声も聞こえないのか、うんうん言っている。
「隼は放っといていいから」
「あ、うん」
大河の言う通り、隼を放って元の話題に戻る。
「それで?手出さない代わりに、蓮は毎夜理性と戦っているわけだ」
「そうみたいなんだよね。あたしも確信してはいないんだけど、あんまり寝れてないみたい。
寝れたとしても、ほんとに浅い眠りか短い時間みたいでさ」
蓮があたしにキス以上手を出さない理由は、わかりきってる。
あたしが、あの日……邪鬼に拉致られた時に震えていたから。
その“行為”に対しての震えだと、あたしは蓮に言っていないのに気付いているから。
蓮は、あたしがあの日その“行為”に対して蘇った恐怖に気付いているから。
だから、あたしに手を出さないんだ。