愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
大丈夫、大丈夫。この人は颯のお母さんで、いい人。
本当に、ただ微笑んでいるだけで……ただ優しいだけで……。
大丈夫、大丈夫。何回も、心の中で唱える。
でも、やっぱり、この笑顔が怖い。笑顔の裏に、何かあるんじゃないかと思ってしまう。
だって、このくらいの歳の女の人に優しくしてもらったことなんてないよ、あたし。
「ああ。隼くんがイタズラしちゃったって言う。さっき干しといたから、大丈夫よ」
「あ、ありがとう……ございます」
「いいえー」
また、目が合う。微笑まれて、ぎこちなく微笑み返した。
「今朝はごめんね、変なところ見せちゃって」
「今朝……」
何のことだっけ、と一瞬首をひねる。
でもすぐに思い出した。颯とお母さん、それからお父さんが言い争ってた、あれか……。
「いえ、大丈夫です」
「颯から……聞いた?」
「……少しだけ」