愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
颯の家族に興味なんてない。あたしは自分のことで精一杯だ。
だけど、だけど……そう思ってしまうくらい、ここは居心地が良い。
あたしがここで育っていたら、どんなだっただろう。颯のお母さんを見て、怖いなんて思わないだろう。多分、もう少し、まっすぐ生きていけたんじゃないだろうか。
そう思ってしまった自分に、少し驚いた。あたし、自分が思ってたよりお節介みたいだ。
「すみません、偉そうに……でも、きっと颯は怒ってなんかないです……」
消えた勢いと共に、視線が下がる。
「……ええ、そうね……ありがとう、真梨ちゃん」
颯のお母さんの顔は見えないけれど、柔らかく微笑んでいるんだろうことは安易に想像できた。