愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「ん……」
温かいぬくもりが、体を包んで離さない。
眠りから覚めきらない重いまぶたをゆっくりと開ければ、そこに広がったのは見慣れない景色。
蓮と泊まっている部屋の布団の中から見える景色は、まだ慣れない。
蓮に後ろから抱きしめられ、蓮の腕がお腹に回っている。
ぐっすり寝ている蓮の腕の中からそっと抜けだし、時間を確認すると10時だった。
昨日、あれから蓮たちの昔話を聞いたりしながら、だいぶ遅くまで騒いでいた。
そのことを考えれば、決して遅くはない起床だ。
今日は昼過ぎにここを発つと聞いているから、あと1時間もすればみんな起きてくるだろう。
それまでどうしようか……。
そう思いながら部屋を出れば、外はしとしとと雨が降っていた。
昨日からずっと降っているのだろうか、帰るときまでには止んでくれると良いけど……。
雨に濡れる中庭を眺めながら、屋根のある縁側を歩く。
昨日も朝に中庭を散歩していたな、そんなことを思いながら適当に歩いていたら、いつの間にか奥の方まで来てしまっていたらしく、見たことのない景色が広がった。