愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「悪い、一旦切るわ。……ああ、わかってる。とりあえずそっちには行くから。……それは約束できない……ああもう、わかったから、じゃあな」
無理に話を終わらせたタカは、通話を切ってスマホをしまうと頭をガシガシとかきながらそこから立ち上がるあたしを視界に入れた。
「タカ、ごめん……聞く気はなかったんだけど……」
気まずくて、申し訳なくて、タカが何かを言う前に、その言葉が口から出ていた。
あの人を母親だと認めた覚えはない――タカの言葉が、ぐるぐる頭の中を回る。
あたし、勝手な勘違いをしていたのかもしれない。
仲間思いで、暑苦しくて、そして無駄に優しいタカは、家族に対してもそうだろうと……勝手に、思ってしまっていた。
勝手に、タカは温かい、優しい家庭で育ったんだと――思って、いた。
「あたし――さっき起きて、ボーッと歩いてて、それだけで……」
何も話さないタカに、焦ったようにこの状況を説明してしまう。