愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
なんで、こんなことになっているんだろう。
昨日の朝だって、颯の家のことを聞いてしまったし……ああ、どうして二日連続で人の家の修羅場に遭遇しているんだろう……。
いや、颯の場合はあんなところで大声を出すから嫌でも気づく――ああ、あたし大分混乱してるみたいだ――今は颯のことは関係ないのに何を考えているんだろう。
「真梨は悪くないだろ。まあ、こんなところまで来るとは思わなかったけど」
「うん……ごめん」
ごめん。タカのこと、誤解しててごめん。
タカのこと、ただのバカなお人好しだと思ってた。ごめん。
「どこから聞いてた?」
「『ふざけんなよ、親父』ってとこ……」
「ああ……」
何を正直に答えているんだろう。
全然何も聞いてないって誤魔化したほうが……ここまで来て誤魔化せないか。
「タカは……」
「ん?」
「……ううん、何でもない」
タカは……平和な、温暖な世界で生きているんだと思っていた――そんなわけが、ないのに。