愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
帰りの車は静かだった。
菜穂の車は大河が乗ったからあたしと蓮はいつもの車。
ボーッと外を眺めるあたしを時折蓮が腕一つで引き寄せる、そんな時間だった。
倉庫について、車から出れば、あたしたちを見て倉庫で居残りしていた子たちが寄ってくる。
「蓮さん、お帰りなさい!!」
「あぁ、変わったことはなかったか?」
「はい!」
蓮へ真っ先に挨拶したかと思うと、次は颯、大河、隼。
「真梨さんも!お帰りなさい」
そして、あたし。
まだ、仲間になったばかりだけど。最初は、なかなか認めてもらえなかったけれど。
光、虎太郎を筆頭に、少しずつあたしを受け入れてくれている。
獅龍(ここ)にいるのは何か事情があるヤツだって、タカが言っていた。
それはきっと、こうやってどんな事情があっても受け入れることができるからだ。
過去ばかりじゃなく、今のあたしを見てくれるからだ。
「……ただいま」
その言葉と共に、自然と笑みが零れた。