愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
同然
ガヤガヤとした倉庫の中。
獅龍メンバー全員が集まっている訳ではないけれど、それなりに人数はいる。
昨日のうちに準備された荷物は、蓮達の荷物と一緒に一つの車に乗せられている。
それ以外にもあたし達を乗せて行くのだろう車が何台もあって、誰の車を借りて来たんだろうと考えるだけで途方に暮れそうだ。
そして、倉庫の入り口付近に今止まった白い車を見て、思わず笑顔になる。
「菜穂っ」
運転席に乗っているだろうその人の名を呼んで、歩み寄る。
そう。
今日は、あたし達が海に行く日だ。
あたしが近付いていくと、運転席が開く。
「久しぶり、真梨」
あたしより3個年上の彼女。
ライトブラウンのショートボブで、茶色の瞳。
白く小さな顔には少し吊っている二重の目、高い鼻、少し薄い唇。
可愛いではなく、綺麗と言うだろうそれは、やはりどこか菜穂を強気に見せる。
久しぶりに会った菜穂の髪は数年前に染めた髪色とほとんど変わらないまま、少し短くなっただけだった。
「久しぶり、元気だった?」