愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
それを皮切りに、荷物だけ確認して玄関へ向かう。
「今日くらい泊まってけば良いのに」
唇を突き出して、拗ねたようにユウが言う。
黙っているナオも同じことを思ってるみたいだ。
「俺は幸せ者だからさ。他にも心配してくれる奴らがいるんだ」
さっきから、ポケットに入れているスマホが震えている。
大方、大河か颯か隼あたりだろう。
例年より帰りが遅いから心配してくれてるんだと思う。
「また近いうちに来るから」
ユウ、ナオ、親父、由美さんの順に目を見て言う。
美樹はもう寝てしまった。
「うん。待ってるね」
由美さんが笑顔で言う。
さあ出よう、と思ったとき、親父が口を開いた。
「ああ、そうだ。来月、うちの病院の創立記念パーティーがあるんだ。鷹樹にも出席してほしいんだが……ぜひ、蓮くんや水川さんも誘ってほしい」
「え?」
うちの病院の創立記念パーティー。
5年ごとに行っているそれは、今年で確か40周年だ。