愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
さっきとは違う、優しく包み込むような抱擁。
見上げれば、菜穂と目が合って。
二人で、笑いあった。
「そう言えば、今日はポニーテールなんだね?」
頭の上の方で結われたあたしの髪を指に絡ませながら、菜穂は聞く。
菜穂があたしの髪から手を離せば、巻いたようにクルクルな髪がふわりと揺れた。
「うん、邪魔だから」
「そっか」
軽く会話を交わして、どちらともなく倉庫の中心、蓮達幹部が揃う場所へと足を向ける。
「…真梨」
「何?」
足を動かしたまま、視線を菜穂に向けるけれど。
「なんでもないや」
そう言ってあたしの方を見ない菜穂に、どことなく切なさを覚えた。