愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「蓮くんはうちの常連さんだし、水川さんはどうしてるかずっと気になってたからね。様子を見てみたくて」
確かに、蓮……というか、獅龍のメンバーが怪我をした時は専らうちの病院に世話になっている。ある意味常連だろう。
真梨のことは病院に連れて行ってからずっと親父は気にしていて、ちょくちょくメールで尋ねてきていた。
面倒くさくて全部無視してたけど。
「わかった、言っておく」
「頼むな」
「じゃあ、行くな」
みんなに背を向けて、玄関扉を開ける。
振り向くと、泣きそうなユウ。複雑そうなナオ。
美樹がいたら、泣いてくれたかな。
「またすぐ帰ってくるって」
開けた扉から外に出て、笑いながら、言う。
「行ってくるな」
すぐに会えるから。
もう、いつでも帰ってくるから。
そんな顔、しないでくれ。
「「「いってらっしゃい」」」
ユウとナオと、由美さんの声だった。
三人とも、手を振っていた。
親父は無言で、手だけ振っていた。
俺も、振り返した。
扉が閉じるまで、ずっとずっと、振り続けた。
【鷹樹side end】