愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
扉から入ってくる。いつも通りの声色だ。
「おかえり」
そう言って迎える。
目が合ったタカは、笑顔だ。
「真梨、連絡くれてたのに返事できなくてごめんなー。帰るって時に気づいてさ」
蓮からの電話出たからいいかと思って。
そう言って、困ったように笑いながら頭をかく。
旅館から出る前の、重い雰囲気のタカはいなくなっていた。
「真梨がこんなに心配してくれるとは思わなかったなー」
「別に、」
心配なんかしてないし。
とは、言えなかった。
だって、心配だった。
いつもあたしたちのために怒ってくれるタカが、あんな風に怒鳴っていたのを聞いて心配にならないわけない。
そっぽを向いたあたしの頭を、タカの大きな手がそっと撫でた。
「ありがとな」
そう言ったタカは穏やかに微笑んでいて、タカにとって今夜が良いものになったんだと察した。
「ああそうだ蓮、来月うちの創立記念パーティーがあるんだけど」
「ああ、そういえばもうそんな年か」