愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
あたしと菜穂が蓮達の傍まで寄ると、それに気付いた蓮が菜穂に頭を下げる。
それに続くように、蓮以外のみんなも頭を下げた。
「お久しぶりです、菜穂さん」
「久しぶり、蓮斗」
頭を上げて、ニコリと笑うこともせず淡々と敬語で挨拶をする蓮。
それと対照的に薄らと笑みを浮かべて答える菜穂は、やはり蓮達よりも立場が上にあったのだろう。
「颯達も…久し振り」
「お久しぶりです」
視線を向けられたみんなの中から、颯が答えた。
「菜穂」
「何?真梨」
菜穂の服を少し引っ張ると、頭を軽く撫でられる。
なぜか、大河にこの間頭を撫でられたことを思い出した。
「何でも、ない……」
何でだろう。
優しくあたしを見詰める目は、どちらかと言うと蓮やタカのものと同じで。
その手は、大河と似ていて。
菜穂はどこか、みんなに似ている気がする。
いや、みんなが菜穂に似ているのか。
菜穂はみんなの上に立っていたんだから。
みんなの目指すべき場所に立っていたのだろうから、似てしまうのは当然なのかもしれない。