愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
部屋の中には、蓮と大河と颯。
隼はさっき外に出て行ったし、タカはキッチンで夕ご飯を作っている。
颯がここを出たらご飯を食べて、準備して走りに行く予定だ。
「じゃあ、俺そろそろ行ってくるね」
「あ、うん。いってらっしゃい……」
ある意味、颯の勝負の日。
いつも通りの颯に見えるけど、大丈夫なのかな。
心配だ。
蓮と大河も返事をして、それを聞いた颯は少し笑っていつものように出かけて行った。
「颯、いつも通りだったな」
大河の台詞に頷く。
「まあ、颯の家もいろいろあるしな。俺らが心配しても仕方ねぇ」
「大河、冷たくない?」
「俺は真梨がそんなに心配してることに驚いてるけど? タカのときといい、最近の真梨。変だぞ」
うっ、と声を詰まらせる。
大河の言っていることは最もだ。
ちょっと前までは、たとえ仲間だろうとそれぞれの事情を心配することもなかった。
でも、知ってしまったことを忘れることはできないじゃない……。