愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「颯はタカと違って子どもじゃない。自分の意思も持ってる。自分で何とかするさ」
「うん……」
大河の言っていることもわかる。
タカは、確かに感情的になりやすい。
反対に颯は冷静なタイプだ。
でも……。
『っざけんな!!!!』
お皿の割れる音。それと同時に聞こえた颯の怒鳴り声。
颯がお父さんに向けた、それ。
あたしは知ってる。
颯だって、あたしたちと同じ年の、ただの男の子だってこと。あたしは知ってるんだ。
「真梨」
蓮があたしの名を呼んで、隣に座る。
「絶対、大丈夫だ」
あたしの頭を撫でた蓮の手が温かい。
強い意志を持った、力強い声。
蓮は、すごいな。
タカの時といい、今回の颯のことといい。
心配していないわけじゃないと思うのに、心底みんなのことを信頼しているんだなってわかる。
これが時間の差なのかな。
長く一緒にいれば、あたしもこんな風に自信を持ってみんななら大丈夫だって思えるようになるのかな。