愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
大河を見る菜穂。
大河も菜穂を見ている筈なのに、どこか違うものを見ている気がする。
だけどそんなことを気にすることもなく会話が進んで行く。
蓮達の中でそろそろ行くと言うことになったらしく、菜穂の車に促された。
車まで行くと、二人で後ろに乗るつもりなのか蓮に引っ張られる。
だけど、そうすると助手席にタカが座ることになる。
子供じゃないし菜穂は親友だけれど、タカが助手席に座るって言うのはなんだか癪に障る。
要はタカの癖に菜穂の隣に座るな、ってこと。
と言うより、あたしが知ってる限りでは菜穂の車の助手席はあたしの席だから、あたしは今日もそこに座るつもりしかない。
「真梨、どこ座ろうとしてんだよ」
「助手席」
後部座席に座ろうとしている蓮に抵抗すると降って来る言葉。
「何でだよ、後ろでいいだろ」
「……前がいい」
ムッとして唇を突き出すと、菜穂に笑われる。
「真梨はあたしの横がいいんだもんねー?」
「……」
沈黙は肯定。
なんて、菜穂の横がいいわけじゃないけれど。
今回はそう言うことにしておこう。