愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「先生は、俺の実の親のことを覚えていますか?」
先生は驚いたように目を見開く。
俺が実の親のことを聞いたことなんてなかったし、当たり前か。
少し目を細めて、先生は口を開いた。
「お母さんのことは、覚えているわ」
「どんな、人でしたか?」
「綺麗な人だったわ。自分にあなたを育てる力がないのがわかっていて、あなたの幸せを願ってあなたを手放した人たちよ」
それは、すごいことなのだろうか。
子どもの幸せを願って、自分たちには育てられないから手放したって……。
俺のことを本当に思っていて、そうしたのか……?
育てられないなら、産むなよ。
子どものことを思うなら、産むなよ……。
「そうですか……」
この施設で、いろんな子に出会った。
生まれてすぐに捨てられた子、親に虐待された子、育児放棄された子、親が亡くなった子……。
その中で俺はまだ、幸せな方なのだろうか……。
俺のことを考えてくれる実親で……幸せ、なのだろうか。