愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
バイクを駐車場に止めて、ホテルへ入る。
入ってすぐに、ホテルマンらしき男に声をかけられた。
「加賀美颯様ですか?」
「そうですけど……」
「こちらへどうぞ」
そう言ったホテルマンに案内されたのは、ホテル内に併設されたレストランの個室。
「こちらの中で、お連れ様がお待ちです」
お連れ様……つまり、もういるのか。戸を開けば、もうそこにはきっと。
ゴクリ、唾を飲み込む。
戸を開けるために伸ばした手が、指が、震える。
今から何があっても、何を見ても、俺は変わらない。
何も変わらない。こんなことで変わってたまるか。
覚悟を、決めろ。現実を、見ろ。
震える手が、戸を開いた。
入ってすぐ見えたのはテーブルとイス。
そのイスに座った、女の人と男の人は、戸が開いたことに気づくとすぐに立ち上がった。
「颯……?」
女の人の方と、目が合う。
ああ、確かに俺の血縁者だ。