愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
息子に自己紹介するなんて変な感じね、そう言って照れたように笑う。
何が面白いんだろう。あんたが引き起こしたことなのに。
「僕は佐々木歩(ささきあゆむ)だ。陽子さんとは去年結婚して……颯くんと血はつながってないけど、陽子さんから話を聞いて、本当の息子のように思っているよ」
本当の息子?
馬鹿馬鹿しい……お前も陽子さんも、俺の何を知ってるって言うんだ。
「加賀美颯です」
名字を言ったのは、反発だったのかもしれない。
俺はお前の息子ではないと、加賀美の子だと、主張したかったのかもしれない。
陽子さんは少し驚いた顔をしたけれど、すぐに悲しそうな顔になる。
取り繕うように、陽子さんは明るい声を出した。
「きょ、今日は何でも話してね! 今の颯のことが知りたいし! あ、私たちのことでも良いわよ」
「じゃあ……」
じっと陽子さんの目を見つめて、口を開いた。
「どうして俺を捨てたんですか?」