愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「本当に……申し訳なく思ってる……あなたを、手放したこと」
陽子さんは立ち上がって、頭を下げた。
深く深く、頭を下げた。
「ごめん、なさい」
どのくらい、頭を下げていただろう。
結構長かったと思う。
陽子さんは頭を上げて、前髪をくしゃりと手で崩した。
「許してなんて……虫が良すぎるわよね……」
表情は見えない。
俺は冷たい人間だ。
だって、何も感じない。同情もしない。
「もう気づいてると思うけど……許すとか許さないとか、そういうことじゃないんです。どうでも、良いんです。俺の親は、今の父さんと母さんだけだから」
陽子さんの瞳から涙が溢れる。
俺は、親不孝だろうか。
こんな風に会いたいと言ってくれる実親がいるのに、贅沢だろうか。
「ただ……生みの親が悪い人じゃなさそうで、良かったです」