愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
走り
夜9時。颯はまだ帰ってきてない。
「真梨、行くぞ」
「あ、うん」
蓮に呼ばれて、幹部部屋を出る。
「颯は?」
「さっきホテル出たらしい。途中で合流する」
「ふうん」
返事をして、蓮の後ろについて行く。
バイクの置いてある場所へ行けば、みんなはもうバイクに跨がっていた。
蓮からヘルメットを渡されて、バイクに跨がった蓮の後ろに乗る。
蓮、大河、タカ、隼、光、虎太郎。
みんなのバイクのライトが、道の先を照らす。
颯がいない中、“走り”とやらは始まった。
特に、変なことはなかった。
格好だっていつもと変わらない。
みんなが同じものを着ているわけでもないし、近所迷惑な音を鳴らすわけでもない。
ただ、人通りの少ない道を気持ちよく走っていく。
周りを見れば、話しながら並走している大河とタカや、周りを少し気にしながらも嬉しそうに走る光と虎太郎。それにちょっかいをかける隼。