愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「蓮!」
「何だ?」
バイクに乗っているから、風の音がすごい。
自然と声が張る。
「綺麗だね!」
大きな声でそう言えば、蓮が嬉しそうに笑ったのがわかる。
周りにも聞こえていたみたいで、楽しそうにこちらを見ている。
電灯の光とバイクのライトに照らされた、道とみんなの姿が、キラキラと眩しく見えた。
颯がいたら、もっと輝いて見えるかもしれないと思った。
どんどん、山の方に向かって走って行く。
少しずつ狭くなっていく坂道を駆け上がる。
木々がザアザアと風で鳴いている。
妙な不安に駆られて、蓮の背中にしがみつく腕の力が強くなった。
バイクが止まって、蓮に促されてそこから降りる。
道から外れたところにスペースがあり、慣れたようにそこにみんなバイクを止める。
蓮があたしに背中を見せてみんなの方へ歩いて行く。
蓮の服を手でそっと摘まむように掴めば、蓮は気づいたように振り向いてあたしを見下ろす。
「ん」
そう言って腕をあたしに促すから、あたしは蓮の腕をそっと掴んだ。