愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
どのくらい時間が経ったのかわからなかったけれど、誰からともなく高台を出る。
バイクを停めたところまで来て、タカが思い出したように颯に声をかけた。
「そう言えば、変な奴につけられたって行ってたけど、大丈夫なのかよ?」
「ん? あぁ……。変なバイク2台。たぶん男」
平然としたように答える颯。
良くあることだ、というように特に焦った様子もない。
「どこのヤツらかな……。最近はどこも大人しかったのに」
隼がバイクのエンジンをかけながら言う。
不良である彼らにとっては日常的なもののようで、みんな特に何も感じていないみたいだ。
みんながいつも通りだから、あたしも安心して、側にいられる。
蓮のバイクに跨がって、帰る準備は万端だ。
「いくら考えても仕方ねえ。帰るぞ」
蓮の一言で、みんなバイクに乗って走り出した。
登ってきた坂道を、どんどん降りていく。
そして――山道から大きな外道に入ってすぐ、彼らは現れた。