愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
あたしたちの行く手を阻むように、道を照らすライトの逆行で目の前が見えない。
目を細めれば、大きなバイクが2台、道を塞ぐようにして立っているのが見えた。
蓮がゆっくりとバイクを止める。他のみんなもそれに習うようにバイクを止めた。
「うひょ~~、ラッキ~! やっぱ俺って持ってるわ~」
片方のバイクに乗った男が大きな声で言う。
ヘルメットで顔は見えない。
バイクのエンジン音にもかき消されないくらい大きな声は、みんなの耳にも届いたみたいだ。
「誰だ?」
蓮の呟きが背中越しに小さく聞こえた。
「あいつら……!」
颯が少し、声を荒げて言う。
「蓮、悪い……あいつらだ、俺をつけてたの……」
颯が蓮の隣にバイクを寄せて、ギリギリ聞こえるくらいの声で言う。
颯が合流する前に撒いてきたというのが、この二人らしい。
撒ききれてなかったのかな……ううん、違う。
ラッキーと言っているんだから、撒かれたあとウロウロしていたら偶然鉢合わせたと考えるのが普通だ。