愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
あたしの首元に顔を埋めてきて、息が直接首に掛かってくすぐったい。
「ちょ、」
あたしが抗議の声を上げた瞬間、蓮の舌がぺろりとあたしの首筋をなめ上げた。
「っひぁ」
ざらざらした舌の感触に驚いて、声を上げる。
驚いて出た声なはずなのに、妙に甘く聞こえた。
「れ、蓮……っ」
名前を呼ぶけれど、蓮は黙ったまま。
そのまま首筋に吸い付いて、チクリと小さな痛みが走った。
どっどっどっ、と、体ごと心臓になったみたいに大きく鼓動が鳴る。
今まで、蓮とたくさんキスもしてきたし、抱きしめられてきたけど、こんな風に触れられたのは初めてだった。
どうしよう。柄にもなく、顔が熱い。あたし、たぶん、今真っ赤だ。
どうしたらよいのかわからなくて、そのままの状態で固まっていると、首元から小さな笑い声が聞こえた。
「すっげー音」
蓮のその一言が、あたしの心臓の音を指していることに気づいて、余計に顔が熱くなる。
血液が逆流しそうで、どうにかなりそうだった。
「う、うるさっ」
『い』までは、言わせてもらえなかった。
気づけば、蓮は顔を上げていて、一瞬にして唇を奪われていた。
そのあと、口内を好き放題暴れられ、解放されてすぐに寝てしまった。
思い出しただけで、心臓が大きく脈打つ。
隣の席に座る蓮を見れば、あたしの気も知らずに呑気に机に顔を伏せている。
あたしはこんなに悶々としているのに……。
一つ、ため息をついた。