愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
様子のおかしかった真梨を思い出す。
蓮に抱かれているその姿は、まるで自分の姿を隠そうとしているようにも見えた。
「わかってる、と思う」
蓮がため息をつく。
「真梨んちって……」
「よくわかんねぇ。出会った頃には一人暮らしだったしな」
隼の呟きに蓮が答える。
確かに真梨は自分のことをペラペラ話すタイプではない。
いくら付き合ってるといっても、出会って約4ヶ月の蓮が知らなくても仕方ない。
そういえば真梨がどうして遊び人になったのか、詳しくは聞いたことねぇな……。
そうなった流れは菜穂から少し聞いたけど、ほとんど何も知らない。
最初は『水川真梨』というレッテルで見ていたけど、一緒に居るようになってからは自分たちの見ている真梨以外気にしなくなったし……。
わざわざ調べることもしなかった。
ただ、高校生の女の子が一人暮らしをしていた時点で、まともな家庭環境じゃねぇわなぁ。
家族と連絡取り合ってる感じもしねぇし。だから天涯孤独とかかと思ってたんだけど。
蓮が重そうな口を開く。
「この人に個展に来て欲しいって言われた」