愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「真梨ちゃんはなんて?」
颯が聞いたことに蓮は首を横に振る。
「その人見てから結構取り乱して……多分、聞いてねぇ」
真梨が取り乱すって……珍しいな。
よっぽど家族にいい思い出がねぇんだろうな……。
「でも、見て取り乱すってことは真梨、この人が家族だって知ってるってこと?」
隼が首を傾げる。
「や、それはねぇ。最初は全然気づいてなかったからな。相手の様子と、自分と同じ“色”を見て、思うところがあったんだと思う」
「少し落ち着いてから、話をした方が良さそうだね。個展に行くにしろ、行かないにしろ……」
颯の意見に、蓮も「あぁ」と返事をする。
「別に言う必要ないんじゃないの?嫌がってるならさー」
隼の言うこともわかる。
家族に良いイメージがない隼は、余計にそう思うのかもな。
でも、そういうわけにもいかねぇだろ。
「隼の気持ちもわかる。けど、真梨に決めさせる」
蓮が言う。