愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】

「蓮……」



お願い、蓮。全部、忘れさせて。

あたしは蓮の首に腕を回して顔を引き寄せると、その唇にあたしのそれをそっと重ねた。



少し驚いたように目を見開く蓮が見える。

そんな蓮を見ないように目を閉じて、口づけを深める。



蓮の形の良い薄い唇を舐めて、開くよう促す。

すぐに開いた口内に、舌を滑り込ませる。

見つけ出した蓮の下に自分のそれを絡ませては吸い付く。

体も密着させるように押し付ける。

けれど、蓮の手があたしの両肩を掴んで引き剥がす。



「真梨……お前、」

「お願い、蓮……」



力の緩んだ蓮の手を掻い潜り、蓮の首元に顔を埋めて抱きつく。



「……めちゃくちゃにして」



そして、全て忘れさせて。

あたしの汚れた身体も、あたしの知らないあたしも、おじさんも……今までの人生、全て。

忘れさせてよ、蓮……。

蓮の手が、あたしの頬にそっと触れる。

蓮の顔が近づいてきて、触れた唇が優しい。

入ってきた舌の動きも優しくて、まるであたしの気を沈めようとしているみたいだ。

違うのに。もっと乱暴に、めちゃくちゃにしてほしいのに。
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