愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】


「少しくらい食べねぇと、治るもんも治んねぇぞ」

「う……」

「タカがお粥作っててくれてるから」

「お粥……」



お粥って、食べたことないや。おいしいのかな……。



「一口でいいから食え。じゃねーとタカが泣くぞ?」



ゔ。それは面倒くさい。

風邪ひいてなくてもタカは特に食べろってうるさいのに、全く食べなかったら本当に泣いちゃうかも。



「じゃあ、一口だけ……」

「よし。今温めて持ってくるから、少し待っとけ」

「……ん」



蓮が部屋を出ていく。

しばらくして、湯気が立つ器を乗せたお盆を持って戻ってきた。

お盆ごと器とレンゲを渡されて受け取る。

器にはお玉いっぱい分のお粥らしきもの。

卵とネギが入っている。

手を合わせてから、一口、口に運んだ。

優しい塩味が口に広がる。



お粥って、こんな味なんだ……。

見た目も質素だし、たいして美味しくなさそうって思ってたけど、温かくて優しくて、なんだかホッとする。

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