愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
プイッとそっぽを向いて、日焼け止めを塗り終わった背中からパーカーを羽織る。
菜穂も薄手の上着を持って来ていたようで、それを羽織っている。
だけど菜穂は前のジッパーを止めることもなく全開だ。
その方が楽だけれど、流石にそれをすると蓮が不機嫌になりそうだったからあたしは鎖骨辺りまで閉めた。
すると、感じる視線。
「それ……“姫”の?」
「うん」
その菜穂の視線の先には、あたしの首に提げられたネックレスがあった。
「ラブラブみたいで羨ましいかぎりなんですけど」
「別にそんなんじゃない」
キュッとネックレスを手で覆う。
「でも……」
「ん?」
「蓮に、みんなに会えてよかったって……思うよ、あたし」
そう言えば、菜穂は少し寂しそうに微笑む。
「…菜穂も」
「え?」
「菜穂にも会えてよかった、って思ってる」
俯いて、小さな声で紡ぐ。
きっと耳まで真っ赤。
菜穂はそんな小さな声が聞こえたようで。
「真梨、大好きッ」
そう言って、あたしに抱き着いた。