愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】


タカもカーテンの隙間を覗き込むから、あたしもなんとなく一緒に覗き込む。

たくさんのバイクの中に、見たことのある姿が一つある。



「あれは……」



日に照らされて光る、銀の髪。ニヤニヤと楽しそうに笑う顔は、見覚えがある。



「ナンパ、男……」



いやらしく笑う、しつこい男。

出会ったのはショッピングモールでのナンパだけど、その後走りの時にも追いかけてきた、粘着質な男だ。

……そうだ、やっと思い出した。コイツがキョウだ。スイは、すぐ隣にいる紺色の髪のやつ。

キョウの気持ちの悪い、「真梨ちゃん」と呼ぶ声が脳裏に蘇る。



「もしかして……」



この襲撃の狙いは……あたし?

確か、少し前にも倉庫が襲われた。まさか、それも?

ドクドクと、心臓が騒ぎだす。

そして、その男……キョウと目が合った。



「あいつ、こっち見てる?」

「ああ」



タカの問いに蓮が答える。

だけど、あたしの目には今あの男しか映っていない。

あたしと目を合わせたまま、男は目を細める。

ニイ、と口角を上げ、不気味に笑う。



「みーつけた」

< 296 / 378 >

この作品をシェア

pagetop