愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
タカもカーテンの隙間を覗き込むから、あたしもなんとなく一緒に覗き込む。
たくさんのバイクの中に、見たことのある姿が一つある。
「あれは……」
日に照らされて光る、銀の髪。ニヤニヤと楽しそうに笑う顔は、見覚えがある。
「ナンパ、男……」
いやらしく笑う、しつこい男。
出会ったのはショッピングモールでのナンパだけど、その後走りの時にも追いかけてきた、粘着質な男だ。
……そうだ、やっと思い出した。コイツがキョウだ。スイは、すぐ隣にいる紺色の髪のやつ。
キョウの気持ちの悪い、「真梨ちゃん」と呼ぶ声が脳裏に蘇る。
「もしかして……」
この襲撃の狙いは……あたし?
確か、少し前にも倉庫が襲われた。まさか、それも?
ドクドクと、心臓が騒ぎだす。
そして、その男……キョウと目が合った。
「あいつ、こっち見てる?」
「ああ」
タカの問いに蓮が答える。
だけど、あたしの目には今あの男しか映っていない。
あたしと目を合わせたまま、男は目を細める。
ニイ、と口角を上げ、不気味に笑う。
「みーつけた」