愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
男の口が、そう動いたように見えた、その時。
――パリーンッ!!
「きゃああ!!!!」
窓ガラスの割れる声と、女の悲鳴。聞こえた方を見ると、同じ教室の窓が割れ、近くにいた涼子が手を押さえている。
「涼子!!」
蓮のそばから離れ、涼子に駆け寄る。
押さえている涼子の手を掴めば、ガラスの破片で切れたのか、血が出ている。
「水川、大丈夫だから」
「大丈夫じゃないよ!!」
血が出ているのは、涼子の利き手である右手。
すごく素敵なメイクをしてくれる。涼子の手なのに……。
「許さない……」
「み、水川……?」
「絶対、許さない……!」
普通に話してくれて、正直嬉しかった。
メイクもしてくれて、ちょっと強引なところも結構好きだった。
そんなことに、涼子が怪我をした今気づいた。
「ちょ、美人が怒るとめっちゃ怖いんだけど……」
涼子が何か言っているけど放っておいて、持っていたハンカチで血を抑える。