愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「おい、汚れる!」
「いいの!」
悔しい。あいつの狙いは、あたしなのに。
涼子は、みんなは何にも関係ないはずなのに。
「いいの……」
あたしのハンカチが汚れるくらい、どうってことない。
「本当は消毒とかしたいけど、今はないから後でちゃんとやってね」
怪我をハンカチで巻いて外れないように結ぶ。
そのまま、教室の扉へと向かう。
けれど、腕を掴まれて止められた。
「真梨!」
「蓮離して!」
振り解こうと手を振り回すけど、蓮は決して離さない。
「どこ行くつもりだ! 俺から離れるなって言っただろ!」
「でも、狙いはあたしなんでしょ?! ここにいたら、みんな巻き込まれるじゃない!!」
「う〜〜ん。俺のところに来たら、もう誰も巻き込まれないよ〜?」
間延びするような声にはっと振り返る。
いつに間に校舎に入ったのか、いつの間に扉が開いていたのか。
さっきまで外にいたナンパ男が、そこに立っていた。