愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
誰が呼ぶか。そう言ってやりたいけど、言わない。
コイツは何を言い返しても喜ぶタイプだ。
蓮があたしの腕を引っ張って、背に隠す。
目の前に蓮の大きな背中が広がる。
「何? 邪魔なんだけど」
「邪魔なのはお前だろ」
蓮とキョウの間に火花が散る。
「真梨ちゃんくれよ」
「誰がやるかよ」
あたし、物じゃないんですけど?
と思うけど、口に出せる空気でもない。
「絶対ぇ奪う……やっちまえ!!!! お前ら!!!!」
――うおおぉおおぉぉお!!!!
廊下から男たちの雄叫びが響いてくる。
何十人もいるだろう、男たちの声。
教室はもう、囲まれているみたいだ。
扉から、男たちがなだれ込む。
教室の中にいた、同じクラスの男子――獅龍のメンバーが迎え撃ち、戦いは始まった。