愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
頭から伝わる温もり、
あの時と同じ重さ、
菜穂と同じ温もり。
菜穂とみんなは似てる。
目が一緒。
温かい目が一緒。
だけど――違う、だなんてことに今気付く。
だって、みんなが菜穂に似てるんじゃない。
菜穂とみんなのあたしを見る目が同じだけなんだ。
ただ、彼だけは。
彼だけは、菜穂と同じだった。
「菜穂」
彼が初めてあたしの前でその名を呼んで。
菜穂と同じ温もりの大河の手が、あたしの頭から離れて菜穂の手を掴んだ。
そのまま、大河は菜穂を引っ張ってどこかへ連れて行く。
「ちょっと大河?!どこ行くの!!」
菜穂の静止の声さえ聞くことなく、二人の姿は小さくなっていく。
誰も、大河のその行動を止めようとはしなかった。
そしてあたしも、そんなみんなを、二人を、見詰めているだけだった。