愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
男を食い物にする真梨は俺の大嫌いなタイプの女だったけど、でも理解できた。
真梨の虚しさも、寂しさも、苦しさも、悲しさも、俺はきっと誰よりも理解できた。
多少の違いはあっても、俺も真梨と同じだったから……。
だからこそ、真梨を受け入れた。
それなのに……肝心な時に守れなくて、何が友達だ。何が仲間だ!
「やめろ……やめろ――――――!!!!」
キョウの唇が真梨の顔に寄せられる。
今にもキスしそうなその距離に、体が燃えるように熱くなった。
「やめろ……俺の……っ、俺らの大事な女に手ェ出すなっ!!!!!!」
驚くくらい、大きな声が出た。
痛む体がピリピリと悲鳴をあげる。
だけど、もうどうなろうと構わない。
俺の体がどうなろうと、真梨を守りたい。
柱に俺を固定するロープが、体に食い込む。
ギシギシと、体から音がした気がする。
真梨が大切だから、蓮が助けに来るまで俺が真梨を守らなきゃ。
守らなきゃ、いけないのに。動かない体が、憎くて悔しくてたまらない。
くそっ。頼む、お願いだ神様。
神様なんか信じたこともなかったけど、これから信じるから。
お願いだ、真梨を……真梨を、助けて。
【隼side end】