愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】

「俺らの大事な女に手ェ出すなっ!!!!!!」



隼の大きな声が部屋中に響き渡り、一瞬時が止まったような気がした。

近づいてきていたキョウの顔も目の前で止まり、視線がかち合った。

手が少し震えている。こういうのは、星宮に襲われた時以来だ。

あの時は起こったフラッシュバックも、今はすんでのところで止まっている。

男は怖い。力づくで押さえつけて、人の体を好き勝手する。

男が恐ろしい生き物だってことを、あたしは知っている。

だけど、そんな男性(ひと)ばかりでないことも、あたしは知っている。



蓮は……獅龍のみんなは、決してそんなことしない。

隼だって、みるからに傷だらけでボロボロなのに、あたしを助けようと暴れている。

大丈夫。あたしだって成長してる。ただ震えて、泣くだけのあたしじゃない。



「……やめて」



両手をキョウの肩に置いて、押し返す。

キョウを睨むようにして、言った。



「あたしが好きなのは、蓮だけだよ。キョウを好きになることはない」
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