愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
蓮が来てくれたことで、ホッとして力が抜ける。
これで大丈夫だと思うと、安心して涙が出てきた。
「蓮、隼が……隼が……っ」
「あぁ、大丈夫だ。大河、隼を病院に」
「おぅ」
大河が隼をおぶって部屋を出ていく。
蓮はそれを見届けて、そっとあたしを抱きしめた。
「心配した」
「うん……ごめん」
あたしも蓮の背中に手を回す。
「何もされなかったか?」
「うん、大丈夫」
押し倒されはしたけど、それだけ。何もされなかった。
「怖くなかったよ」
「そうか」
全く怖くなかった、と言ったら嘘になるかもしれない。
でも、過去を思い出して怖くなることはなかった。星宮の時みたいに、パニックになることはなかった。
それはみんなのおかげ。蓮がいつも優しくしてくれるから。みんながいつもそばにいてくれるから。
むしろあたしが最も恐れていたのは……蓮に嫌われること。
もしもキョウがこのまま無理やりあたしを自分のものにして、蓮があたしを見限ったらどうしよう、って、それが一番怖かった。