愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
隼は肋骨にヒビと、左腕の骨が折れていた。
隼は利き手じゃなくて良かったと笑っていたけど、こっちは全然笑えなかった。
だって、バイクが車と接触して横転したなんて……リアルに事故だ。
もしも打ちどころが悪かったらと思うと……ゾッとする。
隼のお父さんもすぐに駆けつけて、すごく心配してたし……動揺してた。
「絶対に守るって決めたのに……。もう二度と、お前がボロボロになるところを見たくなかったのに……」
そう言って、隼のお父さんは泣いていた。
そんな隼のお父さんも、腕が血で真っ赤だった。トラブルの中で誰かに刺されたらしい。
隼はただ謝るだけだったけど、どことなく嬉しそうだった。
親に心配されることが、嬉しいみたいだった。
「俺、何もできなかったけど……真梨は無事だから、親父との約束、守ったことになるかな」
「ああ……お前は俺の、自慢の息子だ」
そう言って抱き合う二人を見て、あたしは少しだけ……ほんの少しだけ、父親っていいものなのかもなあ、と思った。