愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
似てる?
蓮が言ったことを考えながら、じっと絵の中の女の人を見つめる。
切なげに微笑む女の人と目が合った気がした。あたしは、こんな風に笑えないと思うけどな。
「似てないよ」
そう言って、その絵の前から離れるように足を動かした。
どうしたらおじさんに会えるんだろう、と思っていたけど、答えはあっさりと出た。
本人があたしたちの目の前に現れたからだ。
「こんにちは。来てくれてありがとう」
展示された絵を一通り見終わった頃、スーツ姿のおじさんはそう言って現れた。
「こんにちは……」
ぺこり、軽く頭を下げる。
「パーティーの時とは、少し雰囲気が違うね。……余計に、似ている」
「あなたは……あまり、変わらないです」
似ている……確かおじさんは、パーティーのときにあたしを誰かと間違えていた。
おじさんは金髪碧眼に、スーツ。あのときと同じような出で立ちだ。