愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
過去 -Mari-
「私はフィンランドで生まれ、両親の仕事の関係で7歳のときに日本へ移住した。私は当時日本語を全く話せず、なかなか日本になじむことができずにいた」
そんなとき出会ったのがマリーの母親の梨里(リリー)だ、と言ってヘンリーさんは梨里さんの写った写真を撫でる。
「私はフィンランドと言ってもスウェーデンとの国境近くの生まれでね、スウェーデン語を話すことができた。そして、スウェーデン人の母と日本人の父とのハーフであるリリーも、日常会話レベルであればスウェーデン語を話すことができた」
あたしの本当の母親は、半分スウェーデン人……。
つまり、あたしに流れる血の4分の3は外国人と言うことだ。
やっと納得がいった。この、日本人離れした容姿に。
「私とリリーは、すぐに仲良くなった。家も近く、家族ぐるみで付き合っていた。そしていつしか私とリリーは惹かれ合い、恋人として付き合うようになった」
だが、それは長くは続かなかった。
そう言ってヘンリーさんは、視線を自身の手に落とした。