愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
ヘンリーさんが頷く。
「実は……賞を取って数年して、リリーが目を覚ましたんだ。それからずっと、マリーを探していた」
「え……」
「マリーを預けた水川さんとは、ずっと連絡がつかなくて……やっと見つけた時にはもう、マリーはいなかった」
中学3年の頃、あの人から離れたから……あの女を見つけたのは、ここ1、2年の間の話だろう。
「その時に、マリーがどんな風に育ったのか聞いて……っ」
ヘンリーさんは嗚咽を漏らす。その姿は、本当に後悔しているようだった。
「本当に……申し訳ない。全て、私の責任だ。私を許してくれなくて良い。どうか、罪滅ぼしをさせてくれ……」
ヘンリーさんだけが悪いわけじゃない。不幸が重なっただけ、とも言える。
ただ、やっぱりあの女じゃなければ……そう思う気持ちは、消すことができない。
ヘンリーさんの謝罪には返事をせず、口を開く。
「あの人は……何か、言っていましたか」